<特別賞>【Today’s sunset】

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ペンネーム:東京全力少女 さん 群馬県出身 60歳 看護師

「Today’s sunset」こんなタイトルを付けて、見事な夕日を写真に納め、FBに投稿。
地平線の彼方に、スッと延びた夕日が静かに沈むのを眺めながら、温泉に浸かりマッサージ機に寝転んでいる。
これが私の毎日。思えば遠くに来たもんだ。
長年勤めた病院を辞め、一念発起してカナダに留学し、カナダが大好きになった。
またカナダに行きたい思いと、仕事もしたい思いと、迷いが生じていた時に、ナースパワーを思い出した。

「6カ月、3カ月の応援ナース」という仕事があった。これならある程度の資金を貯めてまたカナダに行くことが出来る。
就職もしたいけれど、就職をしてしまうと資金は出来ても長期の休みは取れない。
でも、これなら一定期間働いてまたカナダに行くことが出来る。

そう考えて直ぐに連絡をしてみた。働く場所は幾つか有ったが、相談しながら自分に合いそうな今の病院を選んだ。
私には家族がいる。カナダに行った時、家族には寂しい思いをさせてきたので、なるべく家に帰ることが出来るように、と考え今の病院に決めさせていただいた。

しかし、私のなかでのイメージとはかけ離れ、大分遠く、人家も少なく商店街もなく、一言で言えば「寂しい場所」だった。
初日から患者さんを受持つ。老人病棟に急性期の患者さんが入り混じっている感じで、老人病棟の経験がなかった私には、おむつ交換に明け暮れる毎日がこれから6カ月続くのかと思うとショックだった。

でも、だんだん患者さんに触れ、スタッフに触れているうちに、仕事が楽しくなった。
ス タッフはブラックジョークが好きだ。私もジョークの応酬だ。
おむつ交換もジョークが飛び交い笑いながら終了する。それに方言が何とも心地良い。
「寂しい場所」も、慣れてくるにしたがって、穏やかなゆったりした毎日に癒されている自分を感じることが出来た。

去り行くナースパワーの先輩から、こんな言葉をいただいた。

「私たちは、スペシャリストなのだから、これは出来ない、あれは出来ない、ということは言ってはいけない。その為に高い給料をもらっているのだから。」

今、そう言われたことが、とても心に残っている。

今私は、この給料に見合った仕事ができているだろうか。温泉に浸かり、マッサージ機に寝転びながら、いつも自問自答している。

 

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