転職手続きノウハウ

“後悔しない、満足できる”
スムーズな転職活動を目指しましょう。

転職の理由は様々ですが、転職活動を焦って進めて失敗してしまったという方も少なくないはずです。ここでは転職活動で失敗しないために、必要なことや知識を詳しく解説しております。
これから転職をお考えの方の参考になれば幸いです。

転職までの一連の流れ

A.転職先ピックアップ

退職の意思を伝えた時期と並行して、転職活動をスタートさせます。個人ではなかなか理想の職場を見つけ出すことが難しいかもしれません。情報収集の方法をご紹介します。

転職先をピックアップしている看護師
病院のホームページから求人情報を探す
直接病院のホームページを検索し、リクルートページからご自身で応募をする形です。
メリット
自分でホームページをチェックし、自己応募になるため、志望度が高いという評価が得ることができます。
また、病院側としても、求人サイトに掲載しなくて良いので採用コストが抑えられます。
デメリット
応募から面接までの段取りや給与面など、
すべての交渉を自分で行う必要があります。
情報収集がホームページのみになるため、
職場の雰囲気や環境の情報が得にくいことがあります。
ハローワーク、ナースセンター画像
ハローワークやナースセンターで探す
国(厚生労働省)の機関である「ハローワーク」、日本看護協会や看護協会が運営するナースセンターは、いずれも公的な機関になるため、安心感があります。
メリット
公的な機関ですので、安心感を持って転職活動が可能です。転職サイトではなかなか見つけられない、小規模な施設等の求人情報も得られるかと思います。看護職の相談員を中心に、きめ細かな就業相談を行っている事が強みです。
デメリット
人材紹介会社などと比較すると、入職までのサポート面が薄いところが懸念点に挙げられます。また、ハローワークの場合、多種多様な求人を扱っているため、専門的な情報が少ない場合があります。
転職エージェントに紹介してもらう様子
転職エージェント(人材紹介)を利用する
転職エージェント(人材紹介)は、一人一人に専任のプロのコーディネーターが付きます。まずはコーディネーターとヒアリングを行い、希望や条件を伺った後、入職までの間、完全サポートしてくれます。転職に対する不安や疑問などの相談にも応じてくれます。また求人数や種類も豊富で、幅広い条件の中から選ぶことが可能です。
メリット
入職まで完全サポートしてくれるのが魅力で、自分の希望に沿った求人を探してくれたり、履歴書の添削、面接の調整・同行、給与や待遇面など自分ではなかなか聞きにくいデリケートな情報まで聞いてくれます。今から転職を始めようと考えている方や、初めての転職の方など、様々なシチュエーションに沿った案内をプロのコーディネーターがしてくれるので、スムーズな転職活動が行えます。
デメリット
エージェント次第では、求人の質や情報量、またはコーディネーターの知識や経験により大きく違いが生じる場合もあり、付いてくれる担当者次第では、希望にそぐわない、絶対的な条件を満たしていない職場を紹介されるケースもございます。
知人の看護師に仕事を紹介してもらう様子
知人や先輩からの紹介
看護師の転職では、元同僚や先輩、看護学生時代の友人、知人が努めている病院や施設などを紹介してもらうのもよくある転職方法の一つです。
メリット
実際に勤務している人からの情報なので信ぴょう性もあり信頼もできます。
また、リアルな人間関係や職場の環境も知ることができます。自分に合った職場であるかの判断が把握しやすいのも大きなメリットです。
デメリット
看護師だけに限らず、知人からの紹介は、感情も入りますので情報の偏りが出てくる場合もあります。それに加え仮に内定をもらった後、辞退しにくい場合も…。あくまでも知人の紹介という形になるので、知人の評判次第では、あなたのイメージが左右される可能性もあります。

B.面接

転職先の候補が見つかったら、必ず面接を行います。

①対面型面接(対談)  ②非対面型面接(WEB・電話)

対面型面接(対談)が一般的ではありますが、ここ数年の時代の流れから、WEBや電話での非対面型の面接を導入する病院等が増えてきております。面接前までに聞かれそうな質問の答えの予習、また服装、身だしなみなどをチェックしておきましょう。当ホームページにも詳しい内容の記事を掲載しているので、是非参考にしてください。

面接の心得
WEB・電話面接対策

C.返却する物と受け取る物の確認

新しい職場へ向かう際には、業務の引継ぎだけでなく退職に伴う各種手続きも同時進行で進めていく必要があります。

必要な手続きのPOINT

必要な手続きは、頭の中だけで整理するのではなくメモに書き起こすなどし、リストアップして処理のし忘れを防ぎましょう。1つでも忘れてしまうと、後々の処理で面倒になるケースが多いです。

【返却する物】
チェックリスト

退職時に返却する物イラスト図
保険証(健康保険被保険者証)
職場の健康保険に加入している場合、退職と同時に被保険者資格を失います。
・離職期間がない場合…新しい職場で諸々の再加入手続きをしてくれる
・離職期間がある場合…①健康保険任意継続 ②国民健康保険への加入 ③家族の扶養に入る
  • 白衣(ユニフォーム)
  • IDカード、社員証
  • ロッカーの鍵(※寮の場合は部屋の鍵)
  • 業務に関係する書類やデータ
  • 経費購入の備品(筆記用具等も忘れずに!)
  • 職場での支給品(制服、物品、通勤定期など)
check!!

マナーとして、白衣のクリーニングや寮の場合は清掃、
支給品など綺麗な状態での返却を心掛けましょう。

【受け取る物】
チェックリスト

退職時に受け取る物イラスト図
雇用保険被保険者証
職場の健康保険に加入している場合、退職と同時に被保険者資格を失います。
1人につき1枚発行されます。転職する際は、転職先の病院に改めて提出します。
退職ならば、雇用保険の手続きに使います。大切に保管しましょう。
年金手帳
公的年金制度の加入者全員に交付されます。
病院側が保管していることが多く、手元にない場合は必ず返却をしてもらってください。
離職票
離職したことを公的に証明する書類となります。退職後、概ね2週間以内に発行されるかと思いますので、念のためにいつ届くのか事前に確認しましょう。
源泉徴収票
1月~12月に貰った給料・賞与の総額や支払った税金等が記載されている書類で税金の申告に使います。転職する際は、年内であればその病院に提出し病院側で年末調整を行います。
年内に転職しない場合は確定申告に使用します。
check!!

転職の際に必要になる物ですので忘れずに受け取りましょう。離職票や源泉徴収票は遅くなるケースもよくある話ですので、遅れている場合は催促の連絡をしてください。

D.退職

業務の引継ぎの確認を行いましょう。

  • 業務の引継ぎは終わったか、漏れはないか
  • 職場の人、患者さんには挨拶は終わったか
  • やり残し、途中で終わっている業務、提出物の漏れなどないか

退職前に再度確認しておくことをおすすめします。円満退職が実現できるよう心掛けましょう。

E.退職後の手続き

退職が決まったら、各種手続きを行う必要があります。

1_健康保険

職場の健康保険に加入している場合、退職と同時に被保険者資格を失います。
・離職期間がない場合…新しい職場で諸々の再加入手続きをしてくれる
・離職期間がある場合…
 ①健康保険任意継続 ②国民健康保険への加入 ③家族の扶養に入る
出典:全国保険協会 協会けんぽ

2_所得税

・退職した年内までに転職した場合…
 新しい転職先にて年末調整を行いますので、個人での手続きは不要です。
・退職した年内に転職しない場合…個人による確定申告する必要があります。
 源泉徴収票が必要になるので準備しておきましょう。
 詳しくは、お住まいの管轄の税務署に相談してください。

3_住民税

1月~12月までの1年間の所得に対しての住民税分を翌年6月~翌々年の5月までに支払います。
・1月~5月に辞めた場合…未納分は最終の給与から一括して天引きされます。
・6月~12月に辞めた場合…
「退職時に一括天引き」もしくは「個人で分割して支払う」か選択できます。
退職時に職場の担当から説明がありますので、その際に判断をしましょう。
詳しくは、お住まいの管轄の税務署に相談してください。当ホームページにも詳しい内容の記事を掲載しているので、是非参考にしてください。
【税金の仕組み住民税を知ろう】

4_年金

国民皆保険に基づき20歳~60歳までの国民は国民年金に加入し被保険者となる必要があります。すでに転職先が決まっている場合は、入職先に年金手帳を提出します。(個人での手続きは不要)離職期間がある場合は、厚生年金から国民年金の切り替え手続きをする必要があります。
下記の第1号被保険者または第3号被保険者への変更が必要です。
公的年金の被保険者には、3つの種類があります。
①第1号被保険者…
国民年金のみの被保険者(自営業者、無職の方など)
②第2号被保険者…厚生年金や共済年金の被保険者(会社員・公務員の方等)
③第3号被保険者…
年収130万円未満で、第2号被保険者(配偶者や両親)に扶養されている方。
年金の切り替え手続きはお住いの管轄の役場で行います。

手続きには、●年金手帳 ●身分証明書 ●印鑑 ●離職票
上記が必要になりますので、必ず持参してください。退職・転職前に年金の切り替え手続きを意識しておくことをおすすめします。
⇒『豆知識』として離職後すぐに働かない場合は雇用保険受給をするのも一つの手です。

転職する前に考える3つのこと

具体的に転職する前に考えておきたいポイントをご紹介致します。

今の看護スキルと今後のことを考える看護師
1_転職の目的を考える
まず明確にしておくのは【転職をする目的】になります。「転職する理由と目的はなにか」、「スキルアップをするためなのか」、「目標を達成したいのか」、「転職先の求める条件はなにか」など転職する目的を明確にすることが大切です。自分の中できちんと整理することで、転職する際の優先順位が決まってきます。この優先事項が、転職での希望条件になってきますので、できるだけ詳しく具体的にイメージしましょう。
2_今を把握し、将来のキャリアを考える
転職には、今までの自分のキャリアを振り返り見直すことがとても重要です。
現状の自分のスキル、キャリアを自己分析し客観的に把握しておく必要があります。(※下記参照)
  • 看護師になった理由
  • 今までのキャリア
  • 身に付けたスキル、知識
  • 看護師としての意欲
  • 取得した資格
これにより、自分がどこに重きを置いて転職先を探すべきかを明確にすることにも繋がります。
また何が得意なのか、苦手なことはなにか…など自分の強みと弱みが明確になると、履歴書や面接でしっかりとアピールすることができます。
3_明確なスケジューリングを考える
「いつまでに内定をもらいたいか」を考えて逆算して、入職への明確なスケジューリングを立てましょう。ゴールを決めておくことで、その日に沿って計画的な動きができます。
余裕のあるスケジュールを考えておくことが重要です。病院次第では、複数回の面接や応対の長期化など考えられますので、それを見越した上でのスケジューリングを設定しましょう。
退職の意思表示のタイミングが重要になってきます。
今お勤めされている病院の就業規則を確認しておいた方が良いでしょう。

~まとめ~

ここまで、退職から転職までの流れを解説致しました。
転職の不安や悩みを解消するには、計画的なスケジューリングと事前準備が重要です。
また、新たな職場への明確な目標、具体的なイメージをしっかりと持ち、余裕のある前向きな転職活動を行えると良いですね。退職や転職に関して、少しでも不安だと思う方は、ナースパワーのプロのコーディネーターにお気軽にご相談ください。