失業保険(雇用保険)第2弾

失業保険を知ろう!受給する為の全知識集

第1弾に続き、第2弾では、実際にもらえる金額や、再就職手当などの説明を行ってまいります。
内容をしっかり理解して、より賢い就職活動につなげていただけると幸いです!!

失業手当はいくらもらえる?

失業給付金の支給額はおおむね前職の給与の約50~80%が一般的だといわれております。
失業手当では離職者の①賃金日額に基づいて②基本手当日額を算出しております。
これらは厚労省が作成する『毎月勤労統計』の平均定期給与額の増減により金額が変動します。
これに伴い、基本手当日額の算定基準が変更になる場合がございますので、計算する際は都度ご確認下さいませ。今回は、例として令和03年の8月現在の内容で解説を進めていきたいと思います。
【平均定期給与額】1人当たりの4月分から翌年3月分までの各月分の合計額を12で割った額。

失業手当の計算方法

<失業手当(基本手当)の計算方法>

失業手当の計算方法は以下の手順となります。

賃金日額を算出する
賃金日額とは下記の計算式のように、原則退職前の6ヵ月の給与(賞与などは含まれない)の合計を180で割った金額です。
ただし、賃金日額には上限及び下限があります。上限と下限に関しては以下の表をご確認下さい。

【計算式】賃金日額=退職前6ヵ月の給与総額÷180日(6ヵ月×30日)

<賃金日額の上限と下限>

離職時の年齢 賃金日額の上限額 賃金日額の下限額
29歳以下 13,520円 2,577円
30~44歳 15,020円
45歳~59歳 16,530円
60歳~64歳 15,770円
基本手当日額を算出する
基本手当日額は①で算出した賃金日額に以下の給付率を乗じて計算します。ただし、基本手当日額にも上限及び下限がありますので注意が必要です。下の表で給付率と上限下限をご確認下さい。

【計算式】基本手当日額=①賃金日額×45~80%(年齢や賃金日額によって異なる)

<基本手当日額の上限と下限>

離職時の年齢 基本手当日額の上限額 基本手当日額の下限額
29歳以下 6,760円 2,061円
30~44歳 7,510円
45歳~59歳 8,265円
60歳~64歳 7,096円

<給付率算定表>

離職時の年齢 賃金日額 給付率 基本手当日額
29歳以下
65歳以上
2,577円以上4,970円未満 80% 2,061円~3,975円
4,970円以上12,240円以下 80~50% 3,976円~6,120円
12,240円以上13,520円以下 50% 6,120円~6,760円
13,520円以上 6,760円(上限額)
30~44歳 2,577円以上4,970円未満 80% 2,061円~3,975円
4,970円以上12,240円以下 80~50% 3,976円~6,120円
12,240円以上15,020円以下 50% 6,120円~7,510円
15,020円以上 7,510円(上限額)
45~59歳 2,577円以上4,970円未満 80% 2,061円~3,975円
4,970円以上12,240円以下 80~50% 3,976円~6,120円
12,240円以上15,020円以下 50% 6,120円~8,265円
15,020円以上 8,265円(上限額)
60~64歳 2,577円以上4,970円未満 80% 2,061円~3,975円
4,970円以上12,240円以下 80~50% 3,976円~4,950円
12,240円以上15,020円以下 50% 4,950円~7,096円
15,020円以上 7,096円(上限額)
基本手当の総額を算出する
基本手当の総額の算出方法は下記の計算式となります。
尚、所定給付日数に関しては下記表を参考にされてください。
※注意事項※
所定給付日数は自己都合で会社を退職した場合と倒産などの会社都合でやめた場合で
給付日数は異なります。

【計算式】基本手当の総額=基本手当日額×所定給付日数

<所定給付日数>

退職理由 年齢 勤続年数
1年未満
1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
勤続年数
20年以上
自己都合 65歳未満 90日 90日 90日 120日 150日
会社都合 30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上
35歳未満
90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上
45歳未満
90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上
60歳未満
90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上
65歳未満
90日 150日 180日 210日 240日
就職
困難者
45歳未満 150日 300日 300日 300日 300日
45歳以上
65歳未満
150日 300日 360日 360日 360日

ご自身の雇用保険額は算出できましたか?

退職時の年齢や、雇用保険被保険者であった期間、退職理由により所定給付日数は異なりますので注意しましょう。
月にどれくらいの金額が入るかしっかり計算して次の転職活動迄備えていきましょうね!!

再就職手当とは(受給条件)

再就職手当とは、雇用保険受給資格者が、早期に再就職先が決まった場合にもらえる手当のことをいいます。本来失業手当は失業から再就職までの期間に支給される手当ですが、再就職手当は失業手当の支給日数を一定以上残して再就職した際にもらえる手当となり2つの手当は受給条件もタイミングも異なります。ここでは、再就職手当について細かく解説していきたいと思います。

再就職手当を受給するためには、以下にあげる
8つの条件を満たしている必要がございます。
早速内容を確認してご自身が条件を満たして
いるか確認してみましょう!!

  • 受給手続き後、7日間の待期期間満了後に、就職もしくは事業を開始した事
  • 失業手当の支給残日数が3分の1以上残っている事
  • 再就職先と前職との間に密接な関わり合いがない事
  • ハローワークもしくは厚労省が許可した職業紹介事業所(人材紹介会社)経由で決定した再就職先である事
  • 再就職先で1年以上の雇用見込みがある事
  • 再就職先にて雇用保険の被保険者になっている事
  • 過去3年以内に再就職手当もしくは常用就職支度手当の支給を受けたことが無い事
  • 受給資格決定前に再就職先での採用が内定していない事

再就職手当の受給要件は理解できましたか?
受給条件を外れると支給されないので、しっかりと内容を把握していきましょう!!

再就職手当の受給金額と手続き方法

続いては、実際にもらえる再就職手当の算出方法についてですが、
以下の計算式によって算出できます。

【計算式】再就職手当の受給額=基本手当日額×支給残日数×給付率

ここでいう『支給残日数』とは失業手当の残りの期間を指します。
つまり支給残日数が多いほど手当の額は高くなります。

再就職手当の
手続方法について

再就職手当の支給を受けるためにも手続きが必要です。
手順をご紹介しますので、確認してみましょう!!

STEP 1
再就職手当支給申請書を受け取りましょう。
以下の3点をハローワークに提出すると『再就職手当支給申請書』を受け取ることができます。
必要な書類、採用証明書、雇用保険受給資格者証、失業認定書
STEP 2
再就職手当申請書類を提出し、証明を受けましょう。
『再就職手当支給申請書』を受領後、再就職先に提出し、必要事項を記載してもらいましょう。
この時、前職と繋がりがない事を証明する書類にも記載が必要となります。
STEP 3
再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証など下記書類3点をハローワークに提出しましょう。
ハローワーク提出書類、再就職手当支給申請書、雇用保険受給資格者証、再就職先が前職と関係がない事の証明書など

※タイムカードの写しや転職先での勤務実績を証明する書類の提出を求められる場合がございます。
提出前には必ずハローワークに確認しましょう!!

再就職後、1ヵ月以内に申請が必要です。

再就職手当は申請期限があり、原則、再就職後1ヵ月以内に行わなくてはなりません。期限を過ぎると、せっかくの再就職手当が受給できない場合がございますので、注意しましょう。尚、ハローワークに出向く時間が無い場合は郵送での書類提出も可能です。万が一のトラブル回避の為、簡易書留などで提出しましょう!!

以上、再就職手当についてご理解いただけましたでしょうか?
再就職手当は条件により受給できないケースがございます。
しっかりと条件を確認して、賢い転職活動を行いましょう。

~まとめ~

第1弾と第2弾を通じて雇用保険や再就職手当、実際にもらえる金額について解説しました。
再就職手当や失業手当をしっかりと理解し、より賢い転職活動を行いましょう!!
今回の記事が皆様のお役に立てることを願っております。